Sunny Sometimes Bipolar Disorder

躁鬱病(双極性障害)筆者の日々を綴ります。連絡はTwitterまで!Twitter@hattix0828

Sunny Sometimes Bipolar Disorder

記憶は書き換わる

最近の話だ。

私はパチンコをしていた。

猛烈な発作時、なんとか意識を保ちたいとき、ギャンブルは意識を繋ぎ止めてくれる。

だから時々、時間をパチンコに使う。

 

パチンコは退屈な遊びである。

ひたすら待つだけだ。「当たり」を待つ。

当たらなければ、時間に比例してお金を失う。

 

財布を見て、一万円を確認した。

もう、玉は無い。追加で投資をしないといけない。

ほどなく、玉は無くなった。

 

一万円札をサンドへ入れようとした。

すると、無いのだ。財布は空だった。

妙なことに、数分前に見たものは無い。

消えてしまった。

 

おかしなことだと感じた。目で見たのに。

だから何故、お金は無くなったのか考えた。

数時間、考えてやっと答えは見つかった。

午前中に1万円は使っていた。

午後からパチンコをしていた。

一万円札は私の作り出した虚像だった。

 

このことを主治医に話す。

「よくあることです。実はお金を使っているのですよ」

「不思議なことに、お金の減る錯覚は起きないんです。あった金がない。こういう話は毎度のことです」

私は

「それにしても、真実にしか捉えられません。確実だと感じる記憶に対して、不確実性があるとは…」

そう云うと医師は、黙った。どうしようもない部分だと、私達は話を切り上げた。

精神病院は入院患者もいる。毎日「確実な記憶を持つ患者と向き合う」

大変な仕事だ。

私は、落ち着いてそう考えた。

 

やはり、今この瞬間こそ大切である。

過去はあいまいで、未来は気まぐれだ。

深呼吸して、意識を小さく研ぎ澄ませれば。

時間の流れから抜けられる。

ヒトは意識をどこまでも広くする。最悪なのは、未来を考えることだ。

そこまで広い意識は、ヒトには使いこなせない。