Sunny Sometimes Bipolar Disorder

躁鬱病(双極性障害)筆者の日々を綴ります。連絡はTwitterまで!Twitter@hattix0828

Sunny Sometimes Bipolar Disorder

タイからカンボジアへ陸路で国境越えをする場合に読んでほしいこと

はじめに

2016年8月2日、僕は友人と2人でタイ − カンボジア の国境を陸路で越境した。

予備知識はあったつもりだったけれど、いろいろと困ったこともたくさんあった。

今回はその体験を元に、2016年夏の情報として、タイとカンボジア間の国境越えはどうなっているのかを提供したい。

移動した都市はバンコクシェムリアップである。

 

公営バスにてシェムリアップ

モーチット・バスターミナル(北バスターミナル)からシェムリアップ行きのチケットを購入する。

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昼食付き、バス内にトイレがある。2時間を目安にドライブインにて休憩がとられる。

お値段はシェムリアップまで750B。カンボジアのビザ代は自分で用意すること。僕らはE-VISAでネットで日本で事前にビザをとっておいた。

出発時刻は午前8時00分と8時30分の2つだけ、日本製のバスは皆無に等しい

早朝の時間帯しかない理由は、かなりの距離をバスで移動するので、朝早くから出発しなければ日没に間に合わない。ということが関係しているだろう。

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前側の席から埋まっていくので、席を自由に取りたい方は早めの予約をオススメする。

とはいえ、ほぼ直線ルートなので後ろだと揺れが辛い等の悩みは少ない。

ちなみにバスのメーカーは不明。いやコレはマジ。見たことないメーカーのバスが来た。エアコンは効いたので最低限のクオリティはあってホッとした。

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どこのメーカーなんだろう?

と言いたいのだけれど、窓ガラスに”修理しないとヤバイよ”ってくらいの亀裂があって、雨水が漏れてダラダラと入ってきた。笑える話だ。そう、8月は雨季なのでスコールがチラホラある。

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ちなみに出発前日の午後21時00分に予約を取りに行ったのだけれど(遅すぎる!席はなんとか空いていた。90%埋まっていてトイレに近い席は人気がない。

出発日には乗車率100%だった。

 バスのタイムスケジュールはデタラメと思っておこう

そして出発日、午前8時0分に間に合うように午前6時前に起きてホテルを経つ準備をしていた。朝のバンコクは渋滞している。

ホテルから1時間かけてモーチット・バスターミナルへ到着した。

荷物をバスへ預けて席へ向かう。

その時に気づいたのは

  • 西欧人だらけ(そして、彼らはバックパッカーである)
  • バス内のデジタル時計が20分以上ズレている(直せよ〜!)
  • 出発したのは午前8時30分くらい

という点。アジア系は僕らを含め2組だけだった。さながらヨーロッパにでも来たみたいで新鮮だ。

渋滞を抜けて直線道路へ出ればミネラルウォーターとフルーツジュースが配られた。

予定ではシェムリアップに15時00分着だった。けれど、着いたのは18時00分だった。

運転手は2人で交代している模様、英語は伝わる

バスの最後尾に簡易ベッドがあり、交代して運転しているようだった。タイのドライバーは英語が分からないヒトがザラに居るけれど、ドライバーは英語を話せるようだ。ちゃんと伝わった。

荷物の管理はザルもいいところ

バスの荷物置場、なんといえばいいのか表現が難しいが、トランク等をしまっておけるスペースのことだ。なんと、このトビラにカギがかかっていない!

このあたりお国柄だろう。荷物タグ等もない。

友人がザックに忘れ物をしたので、ドライバーに「荷物を取りにいきたい」とジェスチャーで伝えたところ「勝手に取ってこい。開いてるから」という返事だった。そして友人は自分で荷物をかき分けて取ってきた。

とくに僕らは南京錠を付けたりはしなかったが(僕らもバックパッカースタイル、つまりザックだけだ)欧米人には雨除けのカバーを付けてセキュリティを高めている方もいた。南京錠も何人も付けていたのを確認している。

噂では民営の深夜バスでは盗難が多発しているとか。あくまで噂だからね。

このあたり、転ばぬ先の杖といったところか。

 

 

国境越えに向けて

正午すぎに英語でアナウンス「今から国境を超えます。〜以下理解不能」といった説明を5分くらいされた。

そして首から下げる「乗車バスを証明する紙のタグ」を配られる。これは絶対に首からかけておこう。

英語で説明され、英語の理解レベルが中学校1年生で止まっている僕らは解読すら諦めた。一応iPhoneで録音したのだが、分からない。

私的な解釈でいえば(コレは僕の勘だ)

  • これから国境へ向かいます
  • 皆さんは出国手続きと入国手続きを済ませて来てください
  • カンボジアへの入国はビザの発行が必要となります
  • バスはカンボジア側で待っています
  • そんなに待ちません。バスへ戻るのが遅いと置いていきます
  • 出国手続きは向かって左側の建物です
  • 入国手続き、イミグレーションは右側を歩けばあります。

といった具合である。問題は「もたもたしていると置いて行かれる」ということだ。

そして僕らは初の海外旅行である。どうすればいいのかさっぱり分からない。分からないことだらけなのだ。

タイの国境の街「アランヤプラテート」はボッタクリで溢れかえっている

バスの乗車口が開いた。乗客が降りていく。

僕らが降りるやいなや、数人のタイ人が片言の英語で話しかけてくる。すごい迫力だ。

「国境を超えるには500バーツが必要だ」と。

先にも言ったが僕らは海外旅行はズブの素人である。まだ生涯で3日目の海外生活だ。「出国手続き」という存在をスッカリ忘れていて、出国手続きをする役所の位置が分からなくなった。欧米人たちに着いて行くべきだったのだ。

「誰かが案内してくれる」

こういう甘い考えが僕らにはあった。

そうではないのだ。案内人は「ボッタクリのタイ人だけ」だったのだ。

 

彼らは何も分かっていない僕らをすぐに見つけ、数人で囲むように話しかけてきた。

「あれはボッタクリや、だから話に乗ったらアカン」

僕は友人に耳打ちした。しかし、何をすればいいのか分からない。友人も同じく、分からない。

 

   ―モタモタしているとバスに置いて行かれる。所持品の多くはバスの中だ。

 

こういった状況になっていた。海外で置いてけぼりは辛い。

仕方がないので1人500バーツを支払い、案内してもらった。なんてことはない。5分くらい歩けば出国ゲートがあった。

金を払えば、ボッタクリタイ人はやさしくて「スリに注意しろ」等と抜かす。親切のつもりなのだろうか。

そしてわずか5分ほどの案内で別れ際に「チップ、テンダラー($10)」とほざく。連呼する。

500バーツも支払っているのに強欲なものだ。チップは渡さなかった。

カンボジア側国境の街、ポイペト。イミグレーション(入国手続き)には英語力が必要である。ポケット英和辞書を持っていこう。

なんとか欧米人たちに追いついた。まずはひと安心だ。彼らの後をついていけばいい。カンボジアの入国には「入国カード」と「ビザ」が必要だ。ビザはE-VISAがあったので申請は不要だった。

問題は入国カードだ。記入欄の表記が英語で書かれていて理解できない。

僕は即座にiPhoneを取り出した。実はSIMフリーiPhoneで、前日にDTAC(タイの通信キャリア)で設定を済ませてある。カンボジア側とはいえ、電波は届いておりネットはできた。

Google翻訳で入力欄を明らかにしていった。

  • 氏名
  • 誕生日
  • 性別
  • 入国目的
  • 目的地
  • 滞在期間
  • 滞在先住所
  • パスポートに表記されている漢字でのサイン

大体こんな具合だった。持参していたペンを用いてアルファベットで書いていく。ペンは持って行ったほうがいい。メモ帳もオススメだ。

イミグレーションは目と鼻の先にある。全てを記入して列に並んだ。ハイシーズン中だと、この列で2時間待ちとかがあるらしい。僕らはせいぜい20分待ち程度。

正確にホテルの番地まで書いたので入国手続きはうまくいった。バスに戻り、大きな溜息をついて安心した。

僕らはネットがあったので翻訳ができたが、ない場合は英和辞書が必須である。

Signature(署名)さえ理解できなかった。

列に並び入国審査官に「どこに何を記入するの?」なんて聞ける雰囲気ではない。ましてやジェスチャーでそれを伝えなければならない。英語が話せれば別だが。

 

ひとまず危機は去り、ボッタクられた酸っぱい経験が残った。

シェムリアップへ到着、声をかけてくる人間は全て無視

バスは無事にシェムリアップのバスターミナルへ到着。

荷物を降ろす。

やたらと声をかけてくるヒトが多い。僕らは全て無視して歩くことにした。

アランヤプラテートの教訓で「声をかけてくるヒトは詐欺師」という大胆な考えで行動した(今思えばトゥクトゥクの兄さんだったのだろう)

持参したiPadminiはGPS機能だけは動いていて、ホテルの方向はGoogleMapで分かった。

さすがに疲れていた。こちらからトゥクトゥクの兄さんへ声をかける。この場合はOKだ。無事に交渉は成立。ホテルまで送迎してくれた。

こういった交渉をこころがけるとスムーズに事はすすむだろう。

さいごに:ホテルへ着いてから感じたこと

僕らは国境を超えるという行為を、テレビで見るような「お祭り気分」「さあ!渡るよ!写真撮って!」といったイメージで捉えていた。

しかし、実際は違った。軽くパニックになり、誰も助けてくれないばかりか、助けを求める手段もない。

それくらいに日本語という言葉は特殊であって、役に立たないものだった。

深く感じたこと…それは「英語力をつけなければ」という1点である。

Englishさえもう少し理解していれば、比較的楽しい国境越えになったかもしれない。

そして、シェムリアップはとてもいい街だといってこう。

バスの乗り心地について

バスの乗り心地は普通だ。悪くはないと思う。カーブもなく、急発進もない。エアコンはよく効いていた。広さも日本の観光バスと大差ない。ネックピローを持って行くと良いだろう。とても眠りやすい。

ちなみに僕は、酔い止め薬と下痢止め薬を持って行った。

ほとんど寝ているのだが、たまに起きてはiPad miniで音楽を聴いていた。

 

 

道路事情について

バンコクからシェムリアップまでは立派なアスファルトの道路がつくられている。凸凹も少ない。

ただ、高速道路ではないのでスピーディーに移動とはいかない。80キロくらいのスピードだろうか。

悪路で辛いということはないので安心しよう。

ポイペトからシェムリアップへ向かう最中のカンボジアの平原や湿地帯、村、街の景色は見たことのない体験をあなたにさせてくれるだろう。

カンボジアは自然が豊かだ。その景色は目に焼き付いた。

これだけはいっておきたい

このバスでの越境体験、僕と友人にとって「非常に楽しい体験になった」

思えば、日本でビザを申請したときから、幾多の試練があった。しかし無事に超えられたのだ。

人生とはSweet-sour.

酸っぱい体験の先にはアンコールワット群とカンボジアという文化が待っている。