精神疾患患者が精神障害者雇用枠で長く働き続けるコツ
はじめに
現在の日本社会では非常に多く精神障害者がいる。僕もその中の一人だ。
精神の疾患、それは非常に多様であって、一概にこれだという定義が存在しない。
多くのヒトにとって未知であって、理解は不可能だろう。
しかし、生きるためには働かなければならない。
また、社会的欲求を満たすためにも仕事というものは重要だ。
僕は社会に恩返しをするつもりで働いている。
精神障害者雇用枠で仕事に就き、現在3年目になった。
3年も働くと仕事も板についてきて、安定感を感じている。
今回のエントリーは「精神障害者雇用で働きたい」と考えている方へ向けてのものだ。
3年間続けて仕事をしてきた上でのアドバイスを述べたい。
仕事選び
仕事の選び方はシンプルである。
外仕事、飲食業、サービス業、ライン作業、深夜勤はやめておこう。
理由としては
- 外仕事は真夏と真冬の作業がとても厳しく、季節変動のある精神疾患には向かない
- 飲食業はシフトが窮屈であり、突発的な休暇をとることが難しい
- サービス業は必ずクレーマーとの対応があり、ストレスが大きく対応しきれない。
- ライン作業は仕事は単調で時間経過は早い、けれど、閉鎖的な空間のため、基本的な職場の人間関係が悪く、メンタルには大きな負担になる
- 深夜勤務はかなりの体力を消費し、精神障害者にはとても手に負えるものではない。
以上の点を踏まえておこう。
できれば規模の大きい職場を希望するとよい。
多数で成り立っている職場というものは福利厚生の教育が行き届いている確率が高いからである。
職場でクスリは堂々と飲んでよい
皆、多くのクスリを服用していると思う。
多くの方は、人前でクスリを飲むのをためらうのではないか。
そう言った場合は、隠さずに堂々と服用しよう。
こうすることによって周囲からは「何らかの体調不良がある」と認識される。
この点が重要である。自分は病気であって治療中ということを隠さないことで、心的疲労は軽減される。周囲も無理強いはできないと知ることができる。
不調のときは休む
例えば一週間に6日仕事ができない状態であるとする。
素直に休みをもらおう。決して無理をしないことだ。
長く不調が続くようなら休職の手続きをして長期休むのもベストな選択だ。
体を壊してしまっては元も子もない。
特別だと思ってよい
周囲の同僚と同じだと思わず、特別な存在だと自覚しておこう。
精神障害者雇用枠という意味で特別なのだ。だから状態が悪くなれば主張してよい。我慢をするというのは避けたい。
一般的な仕事ならば我慢は当然のことであるが、あなたは特別なのだ。
病気を言いふらさない
自分から病気をカミングアウトすることはやめよう。聞かれるまで言わないでよい。
できれば聞かれても具体的なことは言わずに「持病なんです」と、言葉を濁して伝えるほうがいい。
言ったところで理解できるヒトはいないと考えたほうがいい。つまり、同調性がかなり低い会話であって、有益ではない。
それに、日本の社会は精神障害への理解がとても低いと言える。
「なんだかよく分からないが病気なんだな」くらいがちょうどいい。
好調のときは笑顔を
好調なときは、その安心感を利用して笑顔で過ごしたい。笑顔はヒトを安心させ、自分の心も落ち着いてくる。良いことづくめだと言える。
話すではなく、聞く
おしゃべりにならないようにしよう。会話は聞くことと考えるべきだ。静かに振る舞っていれば無理をして話す必要もなく、不調時の静かな休息に繋がる。
おしゃれを楽しむ
仕事という「社会」に出て行くうえで、意識したいことは「おしゃれをする」ということだ。
何も派手な格好をするということではない。清潔感のあるスタイリッシュな外見をつくるというおしゃれである。
もちろん自分のモチベーションの上がる格好が前提である。
ヒトは美しいものやキレイなものを心地よく感じる。芸術的な一面がある。
そのため、普段から外見をキレイにすることは非常に効果がある。外見だけで判断する人は多い。
外見をキレイにしていれば、内面も磨かれてくる。
無理をするくらいなら早退を
仕事中に体調が悪くなったら、無理をせずに早退を申し出よう。
ついつい「これくらいなら我慢できる」と仕事への責任感から考えてしまう。1日の不調は長い不調に発展しかねない。
それに「いつでも休める」という安心感は仕事の持続に効果的だ。
体調を配慮してもらう会社への好感度も高まり。ヒトとヒトとの支え合いの素晴らしさに気づくはずだ。
プラス思考をやめる
一般的に言われる「プラス思考をしよう」と言った決まり文句。これはメンヘラには禁止ワードと言って良い。そもそも精神の安定を保てていないので不可能だ。
実はプラス思考理論には、大きな欠点がある。それは、マイナス思考をしているときに「自分はプラス思考ができない。なんてダメなヤツなんだ」と自らを責めてしまうという部分だ。
なのでプラス思考をすぐにやめて、ナチュラル思考で過ごしてみよう。悲しければ泣いて、楽しかったら笑えばいい。
スマホはNG、メモ帳とペンを持とう
休憩時間や空き時間にスマホを触る光景は今は当たり前になりつつある、しかし仕事場ではあまり使わない方が良い。
それよりも小さなメモ帳にペンで仕事の要点などを書いたり、日記をつけるといい。
やってみると時間つぶしには十分だし、何よりも誰にも不快感を与えない。スマホいじりは例えそれが仕事のメモであっても「遊んでいる」という誤解を招きやすい。
健康記録をつける
先ほどのメモ帳の話の延長上になるが、自身の健康日記を毎日つけると健康維持にとても効果がある。
僕は平日には必ず健康日記をつけている。この日記によって、医師へ治療方針の具体的な内容を伝えることができる。
雑用のプロになる
雇用形態上、雑務を任されることは多くなる。ゴミ捨て、掃除、シュレッダー等だ。こう言った「どうでもいい仕事」ほど熱心にしよう。
重要さは低いように感じるけれど、仕事への姿勢や周囲の信頼を得るには実はとても重要なことだ。
是非、心がけてほしい。
ていねいな言葉づかいで
職場ではていねいな敬語を使うようにする。年下や後輩にも同様である。
ヒトによって態度を変えるのはNG、馴れ馴れしい言葉づかいは思わぬトラブルを招く。
それに言葉がキレイなら、語る側、聞く側も清々しいものだ。
ていねいな言葉づかいを心掛けていれば、会話の難しさから解放されて、誰とでも気兼ねなく会話をすることができる。
同僚に愚痴らない
職場関係のヒトに日頃の愚痴をいうのはやめよう。相手を不快にさせるばかりか、自分の評価は下がってゆく。
仕事場に好きなものを置いておく
職場に慣れたら試してほしいのは、仕事場に自分の好きなものを置くということ、好きな服を着ていくのも良い。
というのは、好きなものがあるというだけで、まるで自分の部屋にいるような緊張感を和らげる効果がある。
そして、穏やかな気持ちで仕事に望めて、心の安息を感じることができる。
さいごに
今回の話は僕が実践して、効果的だったと思えることをまとめた。職業もヒトぞれぞれ、すべてが当てはまって、うまくいくとは限らない。
また、説明が分かりにくいかもしれない。僕の文章力の及ばない部分なので、そこは申し訳ない。
ただ、少しだけでも、助けになれば嬉しい。
そして、仕事はほどほどに。無理はしないで行こう。