プラセボ効果
リフレックス(レメロン)を8日分だけ処方された。躁うつ病のうつを抑えるためだ。このクスリはSSRIでもSNRIでもなく、Nassa(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)抗うつ剤で、即効性がある。
即効性があるということに僕はおどろいた。
抗うつ剤といえば有名なのはパキシルだ。効き目は強く、それゆえに離脱症状が激しい。なので離脱症状に悩まされることから、どちらかと言えば悪名高いことで有名という皮肉なクスリである。
パキシルはSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)であり、効きめを十分に感じるには10日くらいはかかる。
僕は躁うつ病の診断が下る前にSSRIを飲んでいたことがある。ルボックス(フルボキサミン)というクスリだ。もちろん、躁転した。けれど効果は高かった覚えがある。
精神病は抗うつ剤との付き合いが長い。そのために「自立支援控除」という長期の治療を要する人のための医療控除制度が適用される。これがなければ医療費は膨大になってしまい、治療を受けられるヒトは限られてしまう。
うつ病はケロリと治るヒトもいれば、僕のように治りにくいヒトもいる。僕の場合は躁うつ病(正しくは双極性障害)だからまったく違う病気なのだけれど(双極性障害は治らない)
リフレックスを飲んで一晩経った。プラセボ効果(プラシーボ効果)とは思うけれど、今日は朝の寝起きから活発なエネルギーを感じた。今日は休日出勤である。
もしこれがリフレックスの即効性で間違いないのであれば、素晴らしいクスリだなと関心していた。
中島らものエッセイで有名な「リタリン」はすぐに効くすぐれたクスリだ。低迷したエネルギーを持ち上げる効果があって目立った副作用がない。
非常に便利なクスリだったのだが、それゆえに中毒者が続出して、最後はお金儲けに利用された。現在は規制されて過眠症の患者以外には処方されることはない。
僕はリタリンのような即効性のあるクスリがあれば便利だなと日々感じていた。リフレックスが一晩で効くのなら理想的だ。ただ、躁うつ病の僕に向かない。抗うつ剤で気分をリラックスさせることは躁を招く危険がある。
そんなわけで、ひとときの気分のよさを感じた1日だった。